AI

日本の製造業へDXを導入する立場からの視点

私は、某中堅ソフトウェア会社で、クライアントに対してAIおよびIoTのコンサルティング営業を行っており、DXを現場で推進するための提案をしてます。

日本の国力は周知のとおり年々低下の一途を辿っております。豊かな国にする為には他国との競争に勝ち抜くことが重要であると考えます。かつて、日本の製造業は世界でもトップクラスでしたが、今は産業の空洞化によりその影響力が弱まっています。

私は日本の製造業に対してDXを推進することで、競争力を高めることができるお手伝いができればと思っております。

本記事では、製造業においてどのようにDXが推進され、AIが活用されているのかということについてお伝えできればと思います。

製造業への提案内容として

クライアントに対しては、IoTによるセンシングでデータ収集を行い、その後はそのデータを基に故障予知、部品交換時期予測、異常検知のAI化を提案してます。

クライアントの課題

ターゲット企業は、製造業全般(自動車、産業機器、産業ロボット、鉄鋼関連、飲食メーカーなど)です。よくある課題として、高齢熟練者(数十年来の経験値に基づくマシーン調整等を行っていた職人)の引退に伴い、マシンを調整するノウハウの継承ができなくなるという問題が発生しております。その解決方法として、データ蓄積、データ利活用をベースにしたAI化があります。

提案するソリューション

IoTからAI化へ

提案するソリューションの1つとして、電力、電流、電圧、温度、振動などの各種センサーによるデジタルデータのセンシングがあります。

IoT導入のための事前調査(設置場所の最適化等)から、見える化の仕組み構築までを一貫して推進します。経営の見える化と事業改善に役立つよう、レポートサービスやAIによるデータ分析を行ってます。クライアントにおいては、昨今のコロナ禍の影響で、費用対効果が厳しく求められているため、これらは特に求められています。

IoTからAI化へのフロー

 事前調査→課題抽出→設置調整→データ収集→見える化→レポート→データ分析

上記データ分析の結果を基にAI化を進めます。データ分析(機械学習、データマイニング等)により、故障予知、部品交換時期予測、異常検知の効率化が可能になります。

(1)アナログメーターの自動化と遠隔監視化

センシングにおける1つの例として、アナログメーターの自動化と遠隔監視化は非常に強いニーズがあります。

現状、各製造メーカーの製造装置では、電力計、電流計、電圧計等、アナログ指針値、表示ランプ(点灯/消灯)セレクトスイッチ(スイッチ位置)といった、いわゆるアナログメーターが、1つの工場で数百〜数千存在します。

離れた場所や、異なる拠点に点在している各種メーターの点検作業は、意外と時間と人手が必要であり、コストがかかります。

アナログメーターの自動化と遠隔監視化ができれば、既存システムはそのままの状態で、効率化はもとより、目視ミス防止やデータの利活用等が可能になります。

また、製造業においては、情報漏洩やハッキング対策により、クラウド環境にデータを置かないケースが多いです。そのため、社内のローカルネット上で、アナログメーターの自動化と遠隔監視化を実現するというニーズは強くあります。さらに、振動、温度等のIoTシステムへの拡張も求められるケースがあります。

(2)ハイスペックな画像認識による故障予知や部品交換時期の予測と改善

センシングにおけるよくあるニーズとして、iPadや高解像度カメラを活用した精度、画素数を上げたハイスペックな画像認識があります。AI化のプロセスは、センシング(データ収集)によるデジタルデータの蓄積にあります。そのデータをAIによって分析をして、故障予知や部品交換時期予測と改善に活かすケースも増えてきています。

3.まとめ

製造業においては、各種センサーによるデジタルデータのセンシング、そこからのAI化が一つの活用方法としてあります。具体的には、アナログメーターの自動化と遠隔監視化、そして、ハイスペックな画像認識による故障予知や部品交換時期の予測と改善があります。

特に高齢熟練者の引退に伴い、マシンを調整するノウハウの継承ができなくなるという問題は深刻であり、それをDX化により解決しようとしているのが現状です。日本の製造業へDXを導入する立場としては、一つでも多くの成功事例を増やすことが、日本の製造業の競争力強化につながるものと思います。

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