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マーケティングDXとは? AIを活用したマーケティングDX事例をご紹介

はじめに

マーケティングDXというのが1つのバズワードになっているかと思います。ある調査によると80%近くの企業はマーケティングのDXに取り組んでいると言われています。しかし、実際マーケティングのDXと言っても、どのようなことができるのかよくわからないという方も、多いのではないでしょうか。そこで、今回は特にAIを活用したマーケティングDXの事例をご紹介します。

そもそもマーケティングDXとは?

マーケティングDXとは、デジタルマーケティングを行うだけではありません。デジタル・データを活用し、売上の最大化を目指すことです。つまり、お客様の体験を最適化し、データを蓄積分析し、システム・組織をデジタル化することです。大きなポイントとなってくるのが下記2点です。

すべてのチャネルを連携させ、カスタマージャーニーを最適化

スマートフォンの普及などに伴い、従来と比べて顧客と企業との接点が増えています。その接点それぞれで企業の言っていることが全く異なっていたり、毎回同じような情報を伝えていたりするのでは無駄が増えてしまいます。

しかし、マーケティングDXでは顧客の行動や購買データを取得することで、すべてのチャネルを連携させて、カスタマージャーニーを最適化できます。デジタル化することで顧客データを取得し、分析することで今までは実現できなかった施策が可能となりました。

マーケティングDXはゴールでなく、手段

マーケティングDXでよくある失敗は、デジタルマーケティングを行うことや顧客データを取得することがゴールになってしまうことです。その後、データだけ取得してしまい、なにかできないかということを問う企業も多くなっています。

しかし、マーケティングDXは手段でしかありません。マーケティングDXを行い何を達成したいのか、どのような顧客体験を実現するのかというゴールを明確にしましょう。またマーケティングDXはどのような施策を導入するのかを検討するだけでなく、どのように運用するのかや運用するための組織体制の検討まで含めて行う事が重要です。

スターバックス

それでは具体的なマーケティングDXの事例をご紹介します。まずご紹介するのはスターバックスです。スターバックスはただのコーヒー企業というイメージがあると思いますが、現在AIを活用したマーケティングで大きく成果を出している企業の一つです。具体的にどのような取り組みをしているのかご紹介します。

パーソナライズドプロモーション

スターバックスはStarbucks Rewar​d®と呼ばれるロイヤルティープログラムを実施しており、アメリカだけで1,600万以上の会員がいます。ロイヤルティプログラムを通して顧客の注文傾向や購買パターンなど多くのデータを取得しています。このような取得したデータを分析し、天気などの情報や顧客のセグメントにあわせて、おすすめの商品をオファーしています。

商品開発

スターバックスでは、プロモーションだけでなく商品開発にもこのようなデータが活用されています。例えば、15年前に地域限定で販売されたパンプキンフレーバーのメニューは、その時の購買データを元に、現在では世界中での季節定番メニューになっています。また、スターバックスは現在店頭以外にスーパーなどインスタントコーヒーなど多彩な商品の販売をしています。どのような商品が家庭向きに展開していくべきなのかも、家庭でコーヒーを飲む人というセグメントで分析することで、商品展開を決めるのに役立っています。例えば、以前はチルドドリンク​​は加糖のメニューしかありませんでしたが、無糖のメニューが追加されるようになりました。

店舗開発・メンテナンス

スターバックスは多くのところで展開していますが、店舗をどこでオープンするのかも、データを活用されています。エリアの人口、所得水準、競合他社のデータなどをモデル化することで、売上などのデータを予測して、不動産を選択するのに活用しています。

また、エスプレッソマシンもIoT化しています。その結果、リアルタイムで、コーヒーの抽出状況などの情報をデータセンターに集約することで、すぐにマシンの不調を察知し、メンテナンスを行う事ができます。このようにスターバックスは、プロモーションだけでなく、店舗展開を含めてDXすることでより新たな顧客体験を実現しています。

NETFLIX

NETFLIXは、映画やドラマなどを配信している企業ですが、オリジナル作品制作などで注目されるだけでなく、AIを活用したマーケティング活動で大きく成功を収めています。ここではNETFLIXの取り組みに関してご紹介します。

画像パーソナライゼーション

NETFLIXでは、映画やドラマを選ぶ時にアートワーク・サムネイルが表示されます。このサムネイルはすべて統一しているのではなく、顧客の過去の視聴履歴に応じて、タイトルを強調したり、メインにおく俳優を変更したりするなど、視聴者に合わせてパーソナライズしています。このように一律のサムネイルではなく、お客様に合わせたサムネイルを表示することでコンテンツの視聴率を高めることに寄与しています。

また、このようなサムネイルを作成するのもAIで自動化しています。コンテンツ内にでてくるシーンが、どのようなシーンなのかを分析したり、出演している俳優・女優をランキング化したりすることでパターンを作成し、サムネイルを作成しています。

レコメンデーション

配信事業以前のDVDレンタル事業の時から、NETFLIXは作品が俳優、監督、ジャンルなど、どの要素で人気なのかなどのデータを取得し、分析していました。それにより、どのDVDを入荷すべきなのかを検討して大きく成功しました。また、現在の配信事業で、どの国、どの曜日、何時に作品を見ているのかや、過去の視聴作品を分析して、おすすめの作品をレコメンデーションしてくれます。このようにコンテンツの視聴率を高めたり、顧客の満足度を高めるためにAIを活用してマーケティングを行っています。

eBay

最後にご紹介するのはeBayです。eBayはオークションサイトの一つですが、顧客の利用率をアップするためにコンテンツマーケティングでAIを活用して大きく成功しています。

メールマガジンの自動化

eBayは、購入検討者向けの利用率アップや購入率アップの施策として、メールマガジンを活用しています。しかし、eBayでは数百万以上の商品が出品されており、人力でおすすめを検討するのは到底無理であり、またそれぞれの顧客向けに適したメールを作成することも困難でした。しかし、eBayはAIを活用して、顧客のセグメントや興味関心領域を分析することで、おすすめ商品を見つけ出しています。また、コピーライティングも自動化し、One to Oneに適したメールマガジンを配信しています。このようにAIを活用することで、おすすめ商品を抽出からクリエイティブまで自動化でき、マーケティングの効果向上に繋がりました。

まとめ

いかがでしたでしょうか。マーケティングDXと行っても色々な施策がありますが、今回はAIを活用した事例をご紹介いたしました。他社を参考に自社でどのような施策が実施できるのかなど、まずは自社の分析から初めてはいかがでしょうか。

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