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中小企業がAIを活用することで得られるメリットとは?国内における成功事例を紹介

日本において労働生産性の向上は喫緊の課題ですが、大企業に比べ中小企業のAI導入は今ひとつ進んでいません。しかし、中小企業におけるAI導入によって見込める経済的効果は非常に大きいとされるため、政府は中小企業のAI導入を促進するため様々な施策を行なっています。 そこで今回は、中小企業にとってAI導入がなぜ必要なのか、そして導入によってどのようなメリットがあるのかについて、国内における成功事例に触れながらご紹介します。

 中小企業の抱える課題 

そもそも中小企業は現在どのような課題を抱えているのでしょうか?

中小企業と一言で言っても様々な業種がありますが、ここでは主な3つの課題について、ご紹介します。 

慢性的な人手不足

一つ目は、人手不足の問題です。

日本の社会問題として、少子高齢化によって日本の生産年齢人口が減少しているということが大きくあります。

 大学生の就職活動においては、依然として安定志向が強く、大企業を志望する学生が多くいます。そのため、知名度の低い中小企業では慢性的に人手不足が続き、若い社員が入らないため社内の高齢化も進んでいます。

 さらに、昨今のコロナウイルスの影響などで景気の先行きが不透明となった現在、より学生の安全志向・大手志向は強まるでしょう。その結果、経営者自身も高齢化する中、後継者が見つからず事業継承できずに廃業してしまうケースも後が立たない状況です。

生産性の低下

二つ目に、1人当たりの生産性の低下が挙げられます。

2008年のリーマンショック以降、多くの企業の労働生産性は急降下しました。

原因としては、他国に比べて日本はICT関連など設備投資に消極的だったことが挙げられます。

その後、大企業では回復傾向が見られましたが、中小企業では回復のないまま大企業との格差が広がってしまいました。

 中小企業の労働生産性向上には、人材育成やITによる業務効率化など新たなアクションが必要となります。このような課題の解決に対して、AIの導入は大いに役立ちます。 

AI導入のメリット

続いて、大企業のみならず中小企業がAIを活用することのメリットについて、ご紹介していきます。

労働力不足の解消

まず一つ目に、労働力不足の解消です。

単純な入力作業など、AIに置き換えられる業務はたくさんあります。これらのタスクをAIに任せることで、労働負担が軽減するだけでなく、労働力不足の解消にも繋がります。

 例えば、過去のお問い合わせ内容を分析し、コールセンターに人が常駐しなくても対応できる社内AIチャットボットを活用すれば、受付業務を自動化することができます。

 また、このような労働負担の解消は人件費などのコスト削減にも繋がるため、AIの導入費用を考えてもコスト面での効果が大きく期待できます。

労働生産性の向上

二つ目に、労働生産性の向上です。

単純な入力作業や何度も同じ工程を繰り返す業務は、AIが最も得意とするところとなります。

 そのため、このような業務はAIに任せることで、作業ミスを減らし実質的な生産性の向上に繋げることができます。そして社員は商品企画・開発など、他のAIには代替できない業務に専念することができ、企業価値を高めることにも繋がっていきます。

顧客満足度の向上

三つ目に、顧客満足度の向上です。

AI活用によって、ビッグデータを用いたデータ分析が可能になります。

 ビッグデータとは、ビジネスの鍵となる情報が得られる可能性の高い、巨大なデータ群のことを指します。しかし、ただデータを抜き取るだけでなく、企業が知りたいことや目的に応じてデータを収集・分析し、新ビジネスに繋げていくのがビッグデータの活用です。

 例えば、会計システムから商品の販売履歴や個数、その日の天気を分析し、「晴れの日にはこの飲み物の売れ行きが高い」などの結果が導かれます。これによって、店頭の商品展開やディスプレイを天候によって変更するなどができます。

 他にも、様々な販売データを収集・分析することで、目的に合った販売予測をするなど、活用方法は多くあります。このように、データ分析によって得られた情報をビジネスに実践していくことで、サービス全体の質が上がり、結果的に顧客満足度の向上にも繋がります。

AI導入の成功事例

最後に、中小企業が実際にAIを導入して課題解決をした事例について、いくつかご紹介します。

 参考:NECソリューションイノベータ

https://www.nec-solutioninnovators.co.jp/sp/contents/column/20210521a.html

城南電機工業

静岡市に本社を構える城南電機工業では、昭和32年創業以来、自動車用ランプの製造・組立を中心に事業を行うメーカー企業です。しかし、発注前と最終的な納入数の誤差率が非常に高く、余剰在庫や欠品リスクが発生してしまうという大きな問題を抱えていました。

 そこで課題解消のために、製品ごとにそれぞれ発注予告数と実際の受注情報をAIに学習させ、受注数量の予測に活用しました。すると、AIのディープラーニングによる予測精度向上の結果、誤差は従来の約半分となりました。

 誤差率が大幅に縮小しただけでなく、課題が短期間で改善されたため、需要予測にAIを活用した成功事例と言えるでしょう。

 プラポート

続いてご紹介するのは、静岡市に本社を構えるプラスチック加工メーカー・プラポートです。

この企業が抱えていた課題は、いわゆる属人化です。

 図面から即時見積もりを作成できるのが営業担当者のみで、見積もり業務が属人化してしまっていたのです。この課題を解消するため、図面から加工レベルを判断し、見積もりを自動計算するプラポート独自のAIシステムを導入しました。

 これにより営業担当者以外でも見積もり業務に対応できるようになり、加えて見積もり回答2時間以内と大幅なスピードアップも実現されました。

 社内の人材リソースを有効活用するだけでなく、業務効率も格段に向上させた成功事例です。

オリックス生命保険

最後にご紹介するのは、オリックス生命保険のAI導入事例です。

同社はAI音声対話エンジンを導入し、自動音声応答サービスを開始しました。

例えば、顧客が住所変更を電話で行いたい場合、音声ガイダンスに従って契約者名や生年月日、住所を回答するとAIが回答内容を認識し、スタッフなしで受付を完了させることができます。

このAI導入によって、取り扱い件数の多い業務の手間が大幅に改善され、同時に顧客にとっても待ち時間なしでスムーズに手続きが行えるようになりました。

またAI導入後も、スタッフによる電話対応やウェブサイト等での各種変更手続きは受付けています。

参考:TECH+「オリックス生命保険、AI自動音声で住所変更受付開始」

https://news.mynavi.jp/article/20211004-1990987/?gpt=newspicks&utm_source=newspicks&utm_medium=rss

まとめ

今回の記事では、中小企業がAI活用するメリットや成功事例について詳しくご紹介しました。人材不足や生産性の低下など、どんな分野の中小企業でも当てはまる課題はあります。

 そのため、ITやテクノロジーとは無縁に思える分野でも、AIの導入によって課題解決に成功している企業は多くあります。そして最近では安価で導入しやすいAIツールも増えてきました。

 今回ご紹介したような課題でお悩みの場合、AI活用の検討をおすすめします。

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