最近はコロナによる影響もあり、DXによるクラウドサービスの導入が増えています。ヘルプデスクへのユーザーからの利用申請やお問い合わせも増えており、ヘルプデスクの効率化が余儀なくされているケースも多いです。
DXによるヘルプデスクではタスクの管理やフルサービス化、業務の見直しや改善が行えるので、多くの企業にとってメリットが多いでしょう。
この記事ではDXによるヘルプデスクについて事例を挙げながら説明します。
見える化ツールを活用することによるヘルプデスク改革
まずは、業務プロセスの可視化によりヘルプデスク業務が改善された事例を紹介します。
事例① マツダ×富士通によるヘルプデスク改革
自動車業界が100年に一度の変革期を迎えている今、販売店での体験価値向上を経営理念として掲げているマツダは、運用保守サービスの改善と改革を行う決断をしました。
マツダが推進しているブランド価値の向上を重視した経営では、顧客対応のデジタル化が進んでいることで、喜んで接客するためにICT運用の安定的な提供をするべく取り組んでいます。
実際に導入して得られた結果は、以前はヘルプデスクからの報告が1日1回のExcelレポートだったのが、導入後はダッシュボードを活用することでヘルプデスクの現状がすぐに分かるようになりました。また、IT部門では販売店の状況をすぐに確認できるため、システムの状況を見て解決策のフィードバックができるようになりました。
マツダでは属人化を防げるよう、ヘルプデスクにAIを導入したり、無人でのヘルプデスクの夜間対応に取り組んだり、今以上にDX化を図っています。
(参考)https://www.fujitsu.com/jp/products/software/resources/feature-stories/mazda/
事例② 株式会社ホンダアクセスによるヘルプデスク業務の可視化
Honda車専用の純正アクセサリーを開発する株式会社ホンダアクセスでは、社内で使用するPCに関する問い合わせや障害対応に関する窓口としてヘルプデスクを設けています。
今までは領域の担当ごとに個別のツールを用いて日々の対応を行なっていましたが、グループごとにバラバラに情報が保存されているため、新しい担当者が来たときは把握するのが大変だったそうです。他の部署やユーザーから何か要求された時は対応するのに時間がかかっていました。
そこで、管理ツールを一元化することで全ての情報を可視化し、IT統制の効率化と品質向上をしました。結果、対応状況やゲスト別の作業依頼情報などが容易に把握でき、ユーザーの希望納期を尊守できて満足度が挙げられました。
(参考)https://www.lmis.jp/casestudy/desk/ha
事例③ 日本調剤株式会社のヘルプデスクの短時間化
日本調剤株式会社では、日本全国47都道府県に調剤薬局を展開しており、「お薬手帳プラス」を提供しています。ヘルプデスクのDX化に至ったのは、店舗数増加や業務システムの増加に伴ってヘルプデスクのお問い合わせが増え、内容が多様化したからです。
しかし、従来のシステムではデータ量が増えたことで応答時間が延び、顧客の満足度が下がりつつありました。そこで、業務の効率化と顧客の満足度を上げるためにヘルプデスクのDX化に至ったのです。
DX化によって得られた効果は、電話を切らずに最後まで顧客の対応ができたこと。今までは検索して結果が出るまでに60秒かかった作業が10秒に短縮され、受けた電話の中で全てのやりとりが、できるようになりました。
(参考)https://www.lmis.jp/casestudy/desk/nicho
AIを活用したヘルプデスクの効率化
DXによるヘルプデスクの改革では様々なクラウドサービスを取り入れられていますが、中でもAIを活用した事例が多いです。
これから、AIを活用した事例を紹介します。
事例① Watsonによる社内ヘルプデスクの効率化
三菱商事では社内のITヘルプデスク業務にアメリカIBMのAI「Watson」を導入しました。Watsonは社員からの問い合わせに自動で対応してくれるシステムで、社員の質問を理解した上で回答してくれます。さらに詳しく知りたいときはオペレーターに繋げることができます。また、社員の対応やオペレーターの正しい対応で学習していき、問題の解決率を高めていくシステムです。
今までは社内ヘルプデスク業務の正答率が67%でしたが、Watsonの導入後は89%まで上がりました。
(参考)https://saichat.jp/helpdesk/helpdesk/
事例② AIチャットボットの導入
2つ目は、JBサービス株式会社が導入したAIチャットボットの事例です。AIチャットボットはお客様に対して回答を直接返す自動応答、お客様の問い合わせに回答するオペレーターの支援、社内でのヘルプデスクにとして活用するなど様々な面で活用されています。
実際に導入に至ったきっかけとして、ナレッジの分散です。ヘルプデスクサービスは20名のエンジニアで構成されていますが、ナレッジが複数の箇所に分散されているため、初心者の場合は探すのに時間がかかっていました。人員を増加するにしても、スキルを持った人の採用は難しく、教育にも時間がかかります。
そこで、AIという技術を取り入れることで状況を改善しようと考えたのです。実際に導入してから得られた効果は、AIチャットボットの正答率が3ヶ月で95%を越え、対応時間が6割削減しました。特に、テクニカルな内容を覚えさせることで、オペレーターの負担が減っています。
(参考)https://www.jbsvc.co.jp/casestudy/ai/AIchatbot.html
まとめ
ヘルプデスクをDX化することで目に見える効果を得られた事例は多く、人件費の削減や業務の効率化、顧客の満足度が上がっています。DX化には様々なサービスの導入がありますが、AIによるヘルプデスク改革も多く、導入している企業も多いです。