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AIとの恋愛はうまくいく?恋愛サービス市場でのAI活用

近年マッチングアプリでの出会いは若者にとって日常になりつつあり、サービスの市場も拡大しています。

米国のMatch Groupはサービスの買収を繰り返し、現在Tinderをはじめとする16種類のマッチングサービスを展開しています。

また最近の米国株式市場では、女性主導のマッチングサービスを展開するBumbleが、10億ドルの資金調達をともなうNASDAQへの上場準備を進めており話題です。

TinderとBumble、どちらのマッチングアプリにもAIが活用されています。

アプリに読み取られたユーザーの位置情報、趣味や異性の好みなど多数のデータを学習し、マッチングをおこなうアルゴリズムを支えるのがAIの役目です。

このように恋愛にAIを利用したビジネス市場が広がる中、未来の恋愛ビジネスはどう進化していくのか?

本記事ではこれからの恋愛ビジネスとAI、起こりうる問題について予想します。

(参考)THE CONVERSATION「Love in the time of algorithms: would you let your artificial intelligence choose your partner?

(参考)The Motley Fool.「女性主導のマッチング「Bumble」が上場へ:5人に2人がオンラインで出会う時代

はたして、人間とAIは恋愛できるのか?

このさき恋愛サービスの市場には、理想的な恋愛をできるAIが登場するでしょう。

恋愛関係をはじめたり、ときめいたり…といったことは比較的簡単に実現できそうです。

出会った瞬間に、あなたの人生に関わる膨大なデータを処理して特徴を見つけ、あとは好みに沿った会話を交わせるようになる。

何も言わずとも、自分を理解してくれる存在を人は好きになります。

しかしそのあと、AIと長く恋愛関係を維持できるか?とじっくり考えたとき、疑問符がつくのです。

未知の可能性!意識を持つAIはできるのか?

人間と対等な恋愛関係を持てるAIには自律した「意識」が必要ですが、まだ意識を持ったAIが生まれる見通しはありません。

現在のところ、意識がどのようなメカニズムで実現されているか科学的にもはっきりしていないのです。

しかし将来シンギュラリティ(技術的特異点)に到達すれば、AIが自分自身をアップデートし、進化し続けるようになります。

こうなると人間が定義しなくても、AI自身が意識を持つよう進化する可能性は十分にあるでしょう。
(参考)ITmedia NEWS「未来のAIに“意識”は宿るか AI・認知科学の専門家に聞く

人間どうしでもむずかしい!価値観の違いを埋められるのか?

価値観の相違は、恋愛で起こるすれ違いや別れの第一原因です。相手がAIであれば、価値観の違いを超えられるでしょうか?

スパイク・ジョーンズ監督の映画『her/世界でひとつの彼女』では、人間の男性とAIの女性が恋に落ちます。しかし男性の傍若無人さをどうしても理解したかったAI女性が学習を繰り返した結果、人間の限界を越えた「抽象的な存在」に進化してしまい別れに至ります。

もし人間どうしの恋愛ならばこうなる前に別れているはずで、なんとも複雑な気持ちにさせられる結末です。

このストーリーは繰り返し学習して特徴量を得る、深層学習(ディープラーニング)の考え方がベースになっています。今後新しいAI技術が出現すれば、このようなすれ違いは起きないかもしれません。

しかしこの映画の本質は技術面ではなく、人間の理不尽さをAI、ひいては異性や他の人間におしつけてもよいのか、という問題ではないでしょうか。

コミュニケーションは面倒!どこまでAIにゆだねるのか

効率化が進み情報も過多な中で、恋愛に面倒さを感じたり、コスパを求めたりする人も多い現代社会。

異性間で相互理解を深めるのは非常に手がかかりますが、人間性の成長に必要な要素でもあり、面倒な部分をAIに丸投げするのは考えものです。

そのうえでAIが人間の限界を超えない存在であり、愛すべき欠点や可愛げなどの人間くささを備えていれば、AIと人間の恋愛はうまくいくと思われます。

コミュニケーション上の面倒な部分をどこまでAIに依存するかという問題は、恋愛に限らず介護など対人業務に共通の課題です。

MITの物理学者マックス・テグマーク氏は、人工知能技術のさらなる進化を何の準備もせず迎えれば人類史上最大の間違いになると警告し、人間を大事にする「友好的なAI」を使うべきと提唱しています。

人間の側もやみくもに面倒くささを押しつけることなく、AIと友好的に接する必要があるのではないでしょうか。

(参考)TED「AIに圧倒されるのではなく、AIから力を得る方法」マックス・テグマーク

まとめ

価値観の違いを埋めるには、長時間一緒にいられる関係が大事とされています。

長い時間が価値観をすり合わせてくれるためです。

恋愛とAIをビジネスとして考えるなら、これからは出会いだけでなく、恋愛関係の維持をアシストしてくれるサービスにもニーズがあるでしょう。

またマッチングアプリでは現状、出会ってはみたものの交際に至らない人が圧倒的に多いとされています。その困難さにはAIのアシストをさらに活用する余地があるのではないでしょうか。

日本政府は少子化対策のために、2021年の概算要求に20億円を拠出し、AIなど高度なマッチングシステムを使った婚活をおこなう地方公共団体に補助金を出す予定であり非常に興味深いところです。

(参考)MMD研究所「2020年マッチングサービス・アプリの利用実態調査

(参考)内閣府「少子化社会対策大綱の推進について<令和3年度における主な取組>」(PDF)

 

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