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タッチポイントとは何か?

タッチポイントとは、「ユーザーと企業の接点」という意味です。日常生活において、タッチポイントはありふれています。テレビのCMやwebページにある広告、製品を購入するとき、購入後に製品について問い合わせるときなどです。

また、タッチポイントは物理的な接触に限られていませんし、直接的なやりとりに限定されているわけでもありません。オンラインショッピングで製品を購入する場合、ユーザーは物理的に製品と接触しているわけではなく、また、レビューを見て製品を評価している段階では、企業との直接的なやりとりはないからです。

タッチポイントには3つの段階があります。

(1)購入前のタッチポイント:広告、口コミ

(2)購入時のタッチポイント:店舗での販売、オンライン上での販売

(3)購入後のタッチポイント:カスタマーサービス

 このように、企業とユーザーの接点であるタッチポイントは日常生活のいたるところにあります。そのため、タッチポイントを考慮してビジネスをしていくことは、現代では必須であるといえるでしょう。

 本記事では、購入前のタッチポイントが、最もユーザーと企業の接点を多く提供するため、購入前のタッチポイントに焦点を当てて解説していきます。

タッチポイントが重要な理由

では、なぜタッチポイントが重要なのでしょうか。経営学的な理由と心理学的な理由があります。

タッチポイントが重要である経営学的な理由として、ブランディングがあります。ユーザーと製品との接触を増やすことで、〇〇といえばこの製品といった、ブランドイメージの定着を図ることができます。自社のタッチポイントがユーザーにとって心地よい場合、他の企業と比べてよりよいブランドイメージをつくることができます。

タッチポイントが重要である心理学的な理由として、接触の機会を増やすことが挙げられます。心理学ではロバート・ザイアンスの発見した「単純接触効果」というものがあります。これは最初は興味や関心がない製品であったとしても、それに接触する回数が増えるごとに、その製品のことを好ましく思うようになることです。例えば、amazonやゾゾタウンなどのオンラインショッピングサイトは、ユーザーに多くの広告メールを送ることによって、接触する機会を増やし、ユーザーに自社への関心を高めようとしています。

しかし、いくらユーザーと製品の接触の機会を増やしたところで、ユーザーが製品に対していい印象を持っていないのであれば、ユーザーの評価は逆に下がってしまうでしょう。例えば、スパムメールは、ユーザーと製品の接触を増やすことを目的としていますが、ユーザーはスパムメールに対して好ましい印象を抱くわけではありません。スパムメールはタッチポイントにおいて失敗した一つの具体例といえます。

では、どうすれば、優れたタッチポイントを達成することができるのでしょうか。それは、ユーザーと製品が接触するときのUXを改善することだといえます。

UXとは何か

UXは、ユーザー・エクスペリエンスの略で、製品やサービスを通じて得られる体験の総称であると言えます。しばしば、製品やサービスの操作性であるユーザビリティとユーザー・エクスペリエンスは同じものであると考えられていますが、UXはそれよりも広い概念です。

たとえば、UXの第一人者としてしられるJanice Fraserは次のように述べている。

“私はユーザーエクスペリエンスを「Outcome(結果として生じるもの)」だと捉えています。ある人があるシステムに触れた時に、そのシステムがどう動くのか。それで、それらが動いた結果、「認識」だとか「反応」が起こる訳ですよね。UXはそういう「認識」や「反応」の集合だと思います。 あと、私はUXを「ブランド」に近いものだと思うんです。私たちはものを作る時、入念にデザインしますよね?コンセプトなど概念的なことを決める時も、じっくり考えて決めますよね。ただ、ブランドは本当に感覚的な部分で後から得られるもので、UXもこういった「後から生じるもの」の一種だと思っています。ある人がする、体験そのもののこと”

「ユーザーエクスペリエンスとは何か?【インタビュー】ホワイトハウスも注目のUXデザイナーJanice Fraser氏」より引用

このように、UXは本来、ユーザービリティよりも広い概念を持っているといえます。Janice Fraserが述べるように、ブランドとUXも深く関係しています。UXもブランドイメージも感覚的に構築されるという点が重要であるいえます。そのため次節では、ユーザーの感覚レベルから、優れたタッチポイントの具体例について解説します。

参考文献

https://tayori.com/blog/touch-point/#:~:text=%E3%80%8C%E3%82%BF%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%9D%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81,%E3%81%AE%E6%8E%A5%E7%82%B9%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E6%84%8F%E5%91%B3%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

https://uxmilk.jp/69561

https://directmarketingcollege.com/touchpoint/

https://video-b.com/blog/touch-point/

https://blog.btrax.com/jp/what_is_ux/

優れたUXのあるタッチポイントの具体例

TIKTOKの広告

動画サイトで広告が表示されたとき、視聴者はどのような体験をしているでしょうか。それは、数秒後に目当ての動画が表示されるので、それまで待つといったものかもしれません。しかし、TIKTOKにおける広告では、広告は他のユーザーの投稿と同じように表示されるため、広告を広告と思わせない顧客と製品とのタッチポイントを可能としています。

宮崎県小林市移住促進PR

 https://www.youtube.com/watch?v=jrAS3MDxCeA

また広告は、しばしば顧客にとっては煩わしいものです。しかし、宮崎県小林市の移住促進PRは広告でありながら、その広告をわざわざ見たいと思わせることに成功しています。このように、コンテンツをわざわざ見たいと思わせ顧客から製品に接触するようにするのも優れたタッチポイントのひとつであると言えるでしょう。

あつまれどうぶつの森

ここで、あつまれどうぶつの森の名前がでてくるのは意外に感じるかもしれません。あつまれどうぶつの森はNintendo Switchのゲームソフトで、ユーザーはゲームの仮想空間で、日常生活を楽しむゲームです。VALENTINOやMARC JACOBSなどのファッションブランド企業が、ゲーム内で使える自社デザインの服を提供しています。これは、ゲーム内という企業とユーザーが通常では交わらないと考えられた空間でのタッチポイントを可能としており、同時に優れたUXを提供しているといえるでしょう。

現在、商業・政治利用が過激化したため、任天堂はあつまれどうぶつの森を用いた、政治的主張やゲーム外での購買行動に誘導することを控えるよう声明を出しています。しかし、適切な範囲内であれば、将来的にはゲーム内でのタッチポイントの存在感は増していくでしょう。

WEBメディアにおけるネイティブ広告

WEBメディアを読んでいるとき、PRがついている記事をみかけたことはないでしょうか。これは、ネイティブ広告と呼ばれるもので、WEBメディアのコンテンツと同じ体裁で表示されるために、自然なUXをユーザーに提供することができます。

また、ネイティブ広告のもう一つの利点は、ユーザーと企業のマッチングがよりよい可能となるということです。ユーザーは何かしらの嗜好を持って、WEBメディアを閲覧します。そのため、WEBメディアのジャンルと企業の商品・サービスが一致しているとき、最大の効果を発揮するといえます。

また、ウェブ上での展示会などメディアに類した新しい場所での販促で成功している事例もでてきています。

Twitterにおける企業アカウントの運営

 UXにおいて、広告が抱える最大の問題点は、ユーザーがその広告を見たいと思っているわけではないことです。この問題に対し、Twitterにおける企業アカウントの運営は優れた解決を提供します。なぜなら、Twitterで企業アカウントを運営する場合、ユーザーはその企業アカウントを閲覧するかどうかを自分で制御することができるからです。また、Twitterにおける企業アカウントは、ツイートなどのコミュニケーションを通じてよりポジティブなブランディングを可能にします。

参考文献

https://www.kwm.co.jp/blog/tiktok-ads/

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72602?imp=0

https://rocketnews24.com/2020/05/26/1375206/

https://liskul.com/twitter-company-account-21538

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2011/19/news091.html

参考:『あつまれ どうぶつの森』を利用される
企業・団体の関係者のみなさまへの
お願いとお知らせ

参考:中小企業のDX市場規模は1兆2300億円!取り組むべきことは?

まとめ

以上のように、タッチポイントはビジネスを拡大していくため、また競合他社との競争の上で重要であると言えます。しかし、タッチポイントにおいて、ユーザーの評価を下げてしまうのであれば、それは逆効果です。そのため優れたUXを考慮する必要があると言えるでしょう。

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