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[海外活用事例]AI型チャットボットで始まるビジネス革命

矢野経済研究所「対話型AIシステム市場に関する調査を実施(2018年)」によると、AI型チャットボットの市場規模は2020年に132億円にのぼると予測されています。

国内でもチャットボット市場は急拡大していますが、2016年度にチャットボットブームが到来していた米国では、新技術搭載のAI型チャットボットを活用した新たなビジネス革命が起きています。

先進国のAI型チャットボットの活用方法は、今後のビジネスに役立つため確認しておきましょう。ここでは、AI型チャットボットの新技術と先進国での活用事例についてご紹介します。

高まるAI型チャットボットへの期待ユーザーと対話するシステム「AI型チャットボット」が、ビジネスで再注目を集めています。その背景にあるのがAI(人工知能)の進歩です。

2020年11月11日に開催された、中国大手企業アリババ主催の独身の日セールの売上高は4,982憶元(7兆9,200億円)で、前年比86%アップしたことで大きな話題を集めました。この舞台で大活躍したが「AI型チャットボット」。

出演者が話す中国語をリアルタイムで各国の言語に翻訳して字幕を表示するなどして、世界各国の人に向けてプロモーションできる仕組みを構築しました。また、ECシステムの約8割をコンテナで構築して演算性能を拡大し毎秒58万件の注文処理に成功。人の力だけでは実現できない売上を記録したことにより、AIが再注目されています。

また、後述しますが、AI型チャットボットは、多話者多言語音声合成や感情表現・自動会話の新技術が搭載されるようになり、先進国では新たな用途で導入され始めています。
(参考資料:日本経済新聞「アリババクラウド、「独身の日」に毎秒58万件処理」)

AI型チャットボットの新技術

AI型チャットボットは進化し続けており、先進国では新技術が続々と登場しています。ここでは、AI型チャットボットの最新技術をご紹介します。

・多話者、多言語音声合成

Microsoft社からスピンアウトしたrinna株式会社は、新技術「多話者、多言語音声合成」の開発に成功したことで大きな注目を集めています。従来のチャットボットは、大量の音声や情報を収録する必要がありましたが、多話者多言語音声合成は複数の音声や情報を合成することができます。

英語が話せない人でも、新技術を活用すれば英語の音声で回答するAI型チャットボットが開発可能です。AIキャラクターに新技術を導入すれば、海外進出に大きく貢献するロボットになると期待されています。
(参考資料:PRTIME「AIチャットボットで「多話者多言語音声合成」を実現」)

・感情表現

米国AI開発会社UneeQ, inc.は、新技術「感情表現型コミュニケーションAI」の開発に成功しました。AI型チャットボットは無機質なものでしたが、声のトーンや感情(幸せ・悲しみ・共感・恐怖・驚き・嫌悪感・怒り・好奇心)をリアルタイムに表現できるようになりました。感情表現を持ったAI型チャットボットは「デジタルヒューマン」と呼ばれています。
(参考資料:人工知能特化型メディア「『対話+感情表現型 コミュニケーションAI』カンパニーUneeQが日本上陸!Vodafoneなどで導入済みの「デジタルヒューマン」遂に日本でサービス開始。」)

・自動会話

ニュージランドAI開発会社Ambitは、デジタル従業員を後押しする新技術「自動会話」の開発に成功して注目を集めています。Ambitは、会話型インターフェイスの背後にあるインテリジェンスです。マーケティングオートメーションと融合すれば、営業活動の自動化が行えるとして世界から注目を集めている技術です。
(参考資料:ambit「Service and support atscale that customers love」)

AI型チャットボット活用事例

多話者、多言語音声合成や感情表現、自動会話の新技術が搭載されたAI型チャットボットは、実際にどのような場面で活用されているのでしょうか?ここでは、AI型チャットボット活用事例をご紹介します。

店舗予約の完全自動化

Googleは店舗予約の完全自動化の実現を目指しており誕生したのが「Google Duplex」です。Google Duplexは、音声アシスタントアプリ「Googleアシスタント」経由で、GoogleAIが人間の代わりにレストランやヘアサロンに電話をかけて予約代行してくれるサービスです。2020年10月に100万件以上の予約を完了したと報告が上がっています。
(参考資料:TechCrunch「グーグルの会話型AI「Duplex」がコロナ禍で300万件以上のビジネスリスティングを更新」)

ロボット接客による完全自動化

香港AIAウェルスセレクトコールセンターでは、カスタマーサービス向けのロボット「アンディ」が稼働しています。保険契約者のパートナーの立場のアンディには、顔認識技術が搭載されており、保険契約者を認識して広東語・北京語・英語を使い分けて対話します。
また、保険商品の詳細、レードなど実用的な情報も提供するカスタマーサービスロボットです。香港AIAウェルスセレクトコールセンターは、アンディによりコールセンター業務を完全自動化しています。
(出典元:AIA公式サイト「AIA HONG KONG LAUNCHES INDUSTRY-FIRST CUSTOMER SERVICE ROBOT ARTIFICIAL INTELLIGENCE CHATBOT OFFERS 24-HOUR INSTANT SELF-SERVICE CUSTOMER SUPPORT」)

サプライヤー交渉の完全自動化

世界最大スーパーマーケットと称されており、Amazonと対抗するWalmart社では、AI型チャットボットを活用して、サプライヤー交渉の完全自動化のテストを開始。対象となるサプライヤーはロングテールに該当する企業で、チャットボットを活用して交渉の自動化を目指しています。
Walmart社のサプライヤーは数百万社にものぼり、AI交渉が本格的稼働すれば、5,000億ドル(約50兆円)の経済効果が見込めるとして大きな注目を集めています。
(出典元:GROCERY DIVE「The startup that’s automating supplier negotiations for Walmart」)

接客業の完全自動化

感情表現が搭載されたAI型チャットボットで接客業のデジタル化に成功している企業が大手通信会社Vodafoneです。AI型チャットボットは笑顔で来店客を迎え、スタッフの協力を得ることなく各取引処理まで完結します。Vodafone店舗内にあるAI型チャットボットは「デジタルヒューマン」と呼ばれており「実際の店員と話しているみたいだ」と高く評価されています。この技術は2020年7月に日本上陸しているため、国内で見かける機会も増えていくはずです。
(参考資料:人工知能特化型メディア「『対話+感情表現型 コミュニケーションAI』カンパニーUneeQが日本上陸!Vodafoneなどで導入済みの「デジタルヒューマン」遂に日本でサービス開始。」)

人事サービスの完全自動化

米国スタートアップ企業LeenaAIは、人事サービスの完自動化サービスをAI型チャットボットで実現。従業員ヘルプデスクとしての活躍だけではなく、エンゲージメント調査、活動量、勤怠管理も行えて収集データを分析した人事戦略も立案。
コカ・コーラやエアアジアなどの世界で活躍する有名企業に導入され始めており、人事・労務業務の時間短縮に大きく貢献しています。
(出典元:LeenaAI公式サイト「The best stories are worth sharing」)

まとめ

国内でもAI型チャットボットを活用した業務効率化が始まっていますが、先進国の活用事例を確認しておくことで、利用用途が広がっていくはずです。どのようのAI型チャットボットを活用していくか悩んだ場合は、海外での活用事例を確認してみてください。

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