私たちの生活で当たり前のようにあるAI。様々なところで用いられており、欠かせない存在です。
今回は、海外の教育現場でAIがどのように使われているのか、様々な事例を紹介します。
中国の小中高でAI教育に関する授業
中国では小中高の年代からAI教育を始めています。
中国ではAIは「社会実装の時代」と言われており様々な分野でAIが実際に導入されてきています。
特に、学校教育では、高校生向けの「人工知能基礎」の教科書が2018年に出版され、全国40校で使用されはじめました。
小中高では、AI教育に関する授業やプログラミング教育が取り入れられ、AI人材のレベルアップが図られています。
さらに、新型コロナウイルスの影響で授業がオンラインに変わり、小中学生・教員向けに無料のAIプログラミングオンライン講座を展開しています。
内容は小学生が楽しめるよう、SF映画のストーリーに合わせて学習が進められる工夫がされています。全ての講座が終了した人には証明書が発行され、長期トレーニングプログラムに進めます。
<参考>https://type.jp/et/feature/13401/
フィンランドで一般公開しているオンラインAI学習コース
フィンランドのヘルシンキ大学では「AIのオープン教育コースがあればぜひ履修したい」との声から、オンラインAI学習コースが開始されました。
このコースは、インターネット環境があれば世界中どこにいても受講できます。初歩的なテーマなので知識が全くない人でも始められ、基礎を身につけられるそうです。
多くの国では学生向けのAI講義が開催されていますが、フィンランドでは誰もが受講できる点で一目置かれています。
例えば、バスの運転手がAIを勉強することは、一見無駄かのように思われますが、もしかしたら「AIを使って交通整理ができるのではないか」と新しい発想が生まれるかもしれないでしょう。
このように、フィンランドはAIが仕事や生活に欠かせないテクノロジーであることを多くの人に認識してもらい、全国民のAIリテラシーを身につけようとしています。
<参考>https://ledge.ai/elements-of-ai-from-finland/
シンガポールで国家プログラムであるAI Singaporeを開講
シンガポールではAIの国家的能力を定着させるために、対象別・手法別に、5つのAI人材開発プログラムを提供しています。
大学生相当及び教員向けのE-learningコンテンツで、無料です。
シンガポールでAI教育を導入させる目的は、「産業の成長を支えるためにAIタレントを育成する」です。多くの人にAIを知ってもらい、AIを取り入れて産業を成長させます。
シンガポールのAI人材開発プログラムは5つあり、AI Apprenticeship program, AI
for Everyone, AI for Industry, AI for Student, AI for Kidsを提供しています。
<参考>https://www.kantei.go.jp/jp/singi/ai_senryaku/suuri_datascience_ai/dai1/siryou3-2.pdf
アメリカでAIを用いたSTEM教育
アメリカでは将来の労働者に、AIテクノロジー開発および適用するスキルを訓練し、将来的な職務に備えさせる必要性があると掲げています。
具体的には、高校・大学・大学院の奨学金、オルタナティブ教育及びトレーニングプログラムなど5つのプログラムが充実。
「見習い制度」、「スキル取得プログラム」、「コンピューターサイエンスに重きをおいたSTEM教育」が挙げられます。
アメリカでAI教育が始まった背景は、トランプ政権による大統領令です。
AIの研究開発と展開でアメリカの科学的・技術的・経済的なリーダーシップ地位を維持・強化することを目指しています。
<参考>https://www.kantei.go.jp/jp/singi/ai_senryaku/suuri_datascience_ai/dai1/siryou3-2.pdf
AIを用いた教育ビジネス
コロナ環境下において、リモートでも学べるAIを用いた教育ビジネスが世界的に盛り上がっています。実際にどのような教育が行われているのでしょう。
ロンドンでAI教師による算数の授業
ロンドンにあるペイクマン小学校では、算数に苦手意識を持つ生徒に、ワンツーマンの授業が行われています。
毎週同じAI教師から、ビデオ通話を通して一回45分のレッスンが受けられます。レッスン中に分からないことがある場合はいつでも質問が可能です。
これはインド発の教育サービス企業であり、英国の小学校だけでも1,200校以上にサービスを提供しています。
このサービスでは、実際に勉強を教えるのは人間の先生で、AI教師は助ける役割を持っています。
AI教師は生徒の学習状況をリアルタイムで確認でき、一定時間回答がないと学習パフォーマンスがあることを認知して人間の教師に伝えます。
このように、生徒がついていけていなかったり、教師が重要なポイントを見逃した場合に知らせてくれます。
アメリカでAI教師による個人に合わせた授業
アメリカのカンザス州ではAI教師を取り入れた新しいプログラムが開発されました。
AI教師であるMATHiaは、生徒の苦手な学習内容を重点的に理解できるように生徒個人に合わせた指導が提供されています。
生徒の学習進捗や、理解度の分析結果を得られるシステムです。
このように、AI教師として勉強を教えるだけでなく、学校教師の普段の授業の手助け的な役割ももっています。
そのため、教師が不足している地域でもしっかりと教師から教われるように学習の効果を高められます。
アメリカの大学でLMSを利用する学習
アメリカでは、AIを活用したプログラムのLMSを開発しており、大学の授業の予習と復習、レポートの提出、成績の確認まですべてオンラインでできます。
また、社会人はスキルアップ目的でオンライン講座を受けて転職などに活かしています。
多くの人が受けられるので、将来的に優秀な人材育成ができるそうです。
<参考>
https://www.vertex-itb.com/single-post/ai-tutor
https://ainow.ai/2020/10/01/228156/
まとめ
AIと聞くと何か異質な響きがありますが、実際は私たちの生活には欠かせないです。
AIは様々なところで取り入れられており、生活を便利にしてくれます。近年では教育面でAIの導入が増加。
この記事でも紹介したように、学校の授業でAIの知識がつけられるようにしており、さらにはAI教師として教育現場でも活用しています。
教育面によるAIの導入は教師不足などの深刻な問題を解決してくれるでしょう。
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プライムDXブログ編集部の編集長。現在はプライムスタイル株式会社新規事業、マーケティング担当も兼務。皆様にとって役立つ情報提供を心掛けて参りたいと思います。