はじめに
システムエンジニア(SE)とは、顧客の要求に基づいて要件を定義し、システム設計・開発・テストを手がける職種のことです。開発フェーズの上流工程を担当しているため、システムの大まかな開発に加えて予算や人員、進捗管理などのマネジメント業務も行います。
システム稼働までの主な業務の流れは、このようになっています。
1.要求分析:クライアントにどんなシステムが必要なのかをヒアリングする
2.要件定義:要求分析の内容をまとめる
3.基本設計:クライアントのニーズを実現するシステムの設計を行う
4.詳細設計:プログラミングをするための細かな設計を行う
5.プログラミング:プログラムを作成する
6.テスト:システムが設計通りの動作をするか確認する
同様の業務を手がける職種としてプログラマーがあります。その線引きは企業やプロジェクトによって異なりますが、SEがクライアントの要望・要求に基づいてシステムを設計するのが主な仕事なのに対して、プログラマーはSEの設計をもとにプログラミングを行うことが主な仕事です。
SEに求められる能力とは?
SEに求められるスキルは大きく分けて3つあります。「技術的なスキル」、「タイムマネジメントスキル」、そして「コミュニケーションスキル」です。
1.技術的なスキル
SEに求められる技術的なスキルには、プログラミングに関するスキルやプログラムや製品を選定するための実践的なスキルなどがあります。
プログラマーに指示を出すためには、プログラムのスキルをある程度備えている必要があります。プログラマーよりのSEも確かに存在はしますが、SEの仕事はあくまで、大枠を設計することなので「索引」として問題解決のための方法を知っているということが重要です。
2.タイムマネジメントスキル
納期までにお客様にシステムを提供するためには、プロジェクト全体のプロデューサーであるSEが、プロジェクトの進行状況を綿密に管理する必要があります。そのため、スケジューリングや役割分担、リスクの管理等も含めたタイムマネジメントスキルが必要になります。
3.コミュニケーションスキル
SEはお客様のニーズをくみ取り、プロジェクト中も円滑に作業報告や営業交渉を行う必要があるため、お客様とのコミュニケーションが非常に重要な仕事になります。また、同時にプロデューサーとして、クオリティの低下やスケジュールの遅延を避けるためにプロジェクトメンバーとも綿密なコミュニケーションをとることも重要になります。このように、お客様と技術者チームをつなぐ立場であるSEには、さまざまな関係者とコミュニケーションをとるスキルが求められるのです。
(参考)
https://www.hitachi-solutions.co.jp/column/superse/vol2/
https://employment.en-japan.com/tenshoku-daijiten/8328/
https://www.brain-gate.net/content/catalog/systemengineer/
将来性のあるSEの特徴とは?
IPA社会基盤センターが出している「IT人材白書2020」によると、ユーザー企業のIT人材の量に対する不足感の調査に「大幅に不足している」「やや不足している」と回答したのは合計で89%と、2015年度の84.2%よりも増加しています。
このようにDX推進が叫ばれる日本社会において、IT人材の需要が高まっており、SEの需要が高まっていることが予測できます。特に近年では、上記のようにIT業界以外のユーザー会社においてもDXを進めるにあたってIT人材の必要性を感じている企業は多く、社内SEなどの需要が高まっています。
DXが推進されていく今後の日本社会において、SEの需要は高まっていくでしょう。
しかし、IT技術の発展スピードは早く、それに伴ってSEに求められることも変化していくことが予想されます。そんな中で、将来性のあるSEでいるために大事なことは何でしょうか。
1.プロジェクトやサービスの企画に携わったことがある
近年、DX推進と題してIT技術によるオペレーション改善だけではなく、今まで取り入れてこなかったシステムを構築して、新たなビジネスモデルを築いていきたいという企業が増加しています。こういった状況においては、指示された業務を黙々とこなすだけではなく、プロジェクト全体を俯瞰して課題解決のための技術構築ができる「ITコンサル兼技術者」のような立場のニーズが高まります。
2.ビジネスのスキル・視点を持っている
上記のことと関連して、ビジネス面でのスキルをもっていることが重要です。SEとしてより高い技術を持っていることも重要ですが、「その技術力をどう使うか」という視点があり、技術を基に新しいビジネスモデルを提案するなどして、企業全体に働きかけられる人材には高い需要があります。
3.常に新しい技術を学び、変化へ対応ができる
これはSEに限った話ではありませんが、近年新しい技術の開発スピードは早まり、次から次に新しい技術が生み出されます。そんな中で、既得済みの技術に頼っていては時代の流れにおいていかれ、「使えない人材」なってしまいます。逆に、新しい技術を常に学んでおり、変化への対応ができるSEであることが重要です。
(参考)
https://mid-works.com/columns/freelance-career/engineers/1074360
https://rebe-career.co.jp/detail/3460/
DX時代において社内SEへの需要は増える!
経済産業省が2018年2月に公表した「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン」の影響もあり、業績の良い企業はIT投資に積極的な姿勢を示しています。今までの日本企業では、IT周りのことに関してはITベンダー任せという傾向がありましたが、近年では本格的なDX推進のためにIT活用に関する知見のある人材を自社で抱えて独自のノウハウを蓄積していきたいという流れが強まっています。
「社内SE」がその代表的な人材と言えます。IT企業のSEが、ユーザー企業の要望に沿ってシステム設計や構築・運用を行うのに対し、社内SEは企業内のITに関する開発・管理業務に携わります。
DXに力を入れる企業が増えてきている中、IT技術に関する知見と自社の事業に対する知見の両方を活かし、DXの企画ができる人材の需要が高まっています。
現在の日本においては、ITの活用がRPAを導入した業務改善やクラウド化に留まっている企業が多いのが現状です。一方で、海外では製品・サービスの開発や顧客体験の向上にIT技術が活用されており、IT人材やDX人材は企業の売上を支える重要な人材として認識されています。この流れを見ると今後日本においても社内SEの需要も価値も向上していくことが考えられます。
DX推進を始めたばかりの会社が多い日本では、まずは全体像を描ける人材の需要が高まっています。
(参考)
https://www.pasonacareer.jp/ib40/column/ca_interview25/
https://re-katsu.jp/career/knowhow/khw_contents.aspx?c1=/tenshokuguide-junbi/shanai-se-shigoto
人気のあるプログラミング言語は?
これまでSEの仕事や将来性に関して、DX推進の流れを踏まえて説明しましたが、最後にSEに欠かせない知識の1つであるプログラミングに関して、HackerRank社が2020年2月に発表した「2020 HackerRank Developer Skills Report」の調査結果を元にご説明します。
米HackerRank社はITエンジニアのスキルをスコア化し、企業からのエンジニア採用に結び付けるプラットフォームを運営している企業です。米HackerRank社が発表した「2020 Developer Skills Report」(2020年版 エンジニアのスキル調査)は、同社が参加者を募集し、162か国・116,648人のエンジニアからの回答をもとにしています。
同レポートの中の「Languages developers want to learn」(エンジニアが学びたいプログラミング言語ランキング)では次のような結果が出ました。
1.Go(36.2%)
2.Python(27.2%)
3.Kolkin(24.9%)
4.Typescript(20.7%)
5.R(20.0%)
この結果を基に、以下トップ3のプログラミング言語に関して解説をします。
1.Go
「Go言語」や「golang」とも呼ばれるGo(ゴー)は、社内のソフトウェア開発の生産性向上のためにGoogleが開発したオープンソースのプログラミング言語です。2009年に発表され、以来、Googleをはじめとする多くの企業や組織で広く使用されています。
国内での認知度は、RubyやPythonに比べたら高くはありませんが、世界的に見ると非常に人気があり、実用性の高さや学習のしやすさから注目度の高い言語です。
〈Go言語の利用例〉
・APIサーバー開発
・Webアプリケーション開発
・PaaS(Platform as a Service)
Pythonは1991年にリリースされたスクリプト言語です。Pythonの特徴と言えば、機械学習やディープラーニングといったAI開発における必須言語の地位を築いていることがあります。文法はシンプルで、可読性が高く、誰が読んでも読みやすいコードである点も人気の理由と言えるでしょう。
〈Pythonの活用例〉
・AI
・IoT
・データ解析や分析ツール
3.Kotlin
Kotlinは、2011年に、JetBrains社が開発した静的型付けのオブジェクト指向プログラミング言語です。2017年にはGoogle社がKotlinをAndroidの公式開発言語として採用したことで知名度が急速に上がり、近年人気が高まっています。そういった背景があり、現在はAndroidアプリケーション開発において広く利用されています。
〈Kotlinの活用例〉
・Androidアプリケーション開発
・サーバーサイド開発
最後に
本記事では、DX時代において求められるエンジニアについて説明してきました。これからのシステムエンジニアには、IT技術やシステムに関する知識とビジネスに関する知識の両方を持っていることが求められています。また社内SEのように、自社のビジネスに特化したSEを持つ企業も注目されています。そして最後には、近年のプログラミング言語の注目度を取り上げました。SEの需要拡大もあり、学びやすく汎用性が高い言語が人気になっていることが分かります。
(参考)https://proengineer.internous.co.jp/content/columnfeature/14943
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プライムDXブログ編集部の編集長。現在はプライムスタイル株式会社新規事業、マーケティング担当も兼務。皆様にとって役立つ情報提供を心掛けて参りたいと思います。