AI

AI画像認識技術の実態に迫る

AI=「人工知能」と言えるのか?

AI(Artificial Intelligence)は「人工知能」と一般的には翻訳されていますが、本当の意味での人工知能、つまり人間の頭脳と全く同じように考えるコンピューターはまだ存在していません。たとえば、部屋の写真の中でソファーがどれかというのを見つける際に、人間は感覚的にどれがソファーであるのかがすぐにわかるのに対して、AIは、写真に写りこんでいる全てのものの特徴を分析しないと、ソファーを見つけることはできません。

しかし、ディープラーニングによってAIの精度が飛躍的発展したことに伴い、かつては一つ一つ教え込まなくてはならなかったものが、沢山のデータを入力することにより自ら注目すべき場所を学習し、性能を著しく向上することができました。

ここ数年でAIは様々な場面で活用されてくるようになりました。

AIの得意分野とは?

AIの主な活用法として、データ認識とデータ予測があります。

データ予測に関しては、(1)画像認識 (2)音声認識 (3)自然言語処理 の3つに分けられます。

(1)画像認識

画像データから、ある特徴を持つ形状を抽出・計測・分類する事と一般的に定義されています。コンピュータを用いて画像や動画データから人物や風景等の特徴を発見し、識別するための技術のことを指します。

(2)音声認識

人間の声やなどをコンピューターに認識させ、文字列に変換したり、話者を解析したりする技術です。人間は言葉をそのものを理解できるのに対し、コンピュータは入力されている音声モデルを解析することで認識が可能となっています。

(3)自然言語処理

人間が日常的に使っている日本語や英語などの自然言語をコンピューターで扱う技術です。一見すると、音声処理と同様に思えるかもしれませんが、厳密に言えば違います。音声技術は音声データから音声認識データとして言葉を出力する段階で留まり、内容の理解はしていません。一方で自然言語処理は言葉の意味を理解する技術のことを指します。

(参考)

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53456760X11C19A2000000/

https://ainow.ai/2019/12/02/181355/#AIDX-3

https://aizine.ai/ai-can-0320/#toc1

https://ai-iot.jp/whats_voice_recognition/#mokuji-3

https://www.mitsubishielectric.co.jp/me/hello-ai/00/index.html

画像認識技術とは?

本記事は画像認識に焦点を当てて紹介したいと思います。

AIによる画像認識プロセスは、人間とは違い目に映るものを経験や直感から判断する方法とは違います。コンピューターは画像や動画を点(=ピクセル)の集まりとして認識をします。

この状態では対象物として認識することが出来ません。また、対象物の写り方は暗い環境下で撮られたもの、アップで撮られたもの、光加減により赤みがかっているものなど、様々です。これらを正しく認識するためにまずは加工を通して識別可能な状態にします。

加工処理手順は以下の通りです。

 

(1)ノイズやゆがみの除去

(2)オブジェクトの輪郭の強調、明るさや色合いの調節

(3)画像からオブジェクトの領域の切り出し

 

これらの事前準備を行ったうえで、対象物の情報・特徴を判断できるように学習させることで認識材料となる「ラベル」を作成し、画像認識が行われます。

 

画像認識自体の歴史は古く、1940年代から行われたバーコードの認識から始まったといわれています。より現代の画像認識に近い「画像データ」を用いた技術は、1960年代に研究が始まった顔認証システムと言われていますが、画像処理ができるスペックのPCが一部の研究機関などでしか使われていなかったため、一般的には広がりませんでした。

 

その後、技術の進展により画像処理技術の精度が上がったことで広がってゆきます。

2012年に行われた画像認識コンペティションImageNet Large Scale Visual Recognition Challenge(ILSVRC)においては、ディープラーニングを使ったモデルが「AlexNet」が約85%の正答率を出しました。

 

従来使われていた手法では、正答率が70%ほどに留まっていたこともあり、この出来事は人々に衝撃を与えました。

 

(参考)

https://iotnews.jp/category/ai

https://www.hitachi-solutions-create.co.jp/column/technology/ai-image-recognition.html

https://techacademy.jp/magazine/17068

https://nissenad-digitalhub.com/articles/image-recognition-history/

https://techacademy.jp/magazine/17068#sec2

画像認識技術のビジネス活用事例

inaho株式会社 自動野菜収穫ロボット(日本)

inaho株式会社は、AI画像認識技術を用いた自動野菜収穫ロボットを開発し、日本の農業の課題の解決のサポートを始めています。

従来では、個体ごとに成長速度が異なる為、人間の目により確認し、収穫を行っていたアスパラガスを、画像認識により収穫適期作物を判断することで自動収穫させることに成功しました。

現在は、佐賀県鹿島市へ出店しており、今後はアスパラガス同様に収穫時期を人間が判断せざるを得なかったキュウリ・トマト等にも対応していく予定だといいます。

現在、日本の農業人口は年々減少しており、2010年の新規就農者数は前年比より18%減少した5万5千人となっています。

また、就農者の高齢化も進んでおり、現在では65歳以上が6割を超えているといった厳しい状態となっています。

こうした農業従事者の人口不足や業務負担を軽減に自動野菜収穫ロボットは貢献しており、社会的に大きな意義のある活動となっています。

株式会社オートバックスセブン「かんたんタイヤ画像診断」(日本)

2017年9月に株式会社オートバックスセブンより「かんたんタイヤ画像診断」がリリースされています。

これは、お客様自身がアプリをインストールし、自分のタイヤを撮影、アップロードすることで自身の自動車のタイヤの摩擦状況を診断してもらえるというシステムです。

このアプリの開発のきっかけになったデータは以下になります。

・自動車の日常点検を行っていない自動車ユーザーは35%

・メンテナンス不良による自動車事故は年間1,500件(タイヤ不良が原因の多くを占める)

このアプリは、自分の身近にあるスマートフォンで撮影するだけでプロ整備士同様の判定が可能となります。このAIシステムの導入により、今までタイヤのメンテナンスに関心をもってもらうことができ、かつオートバックスセブンにとって、顧客との接点を作りだすことが可能になりました。

そして、社会に存在していたタイヤ点検の重要性と自社のビジネスモデルを組み合わせることにより、自社の利益向上に結びつけるだけでなく、社会的貢献としても大きな影響を与えるビジネスが実現されました。

アリババグループ 画像検索エンジン「Image Search」(中国)

中国のIT大手アリババグループは、Eコマース事業に画像認識技術を取り入れています。アリババの通販サイト「淘宝(タオバオ)」や「天猫(Tmall)」には「Image Search」というアリババグループが独自に開発した画像検索エンジンが使用されており、ユーザーが自分の欲しい商品を撮影し、画像を検索することで類似の商品情報を得ることができます。ディープラーニングの技術を活用することで、ユーザーがECサイトで自分が欲しい商品を探す際に引き起こされるストレスの軽減を実現することが可能となり、スムーズな購買体験を顧客に提供することができます。

(参考)

https://inaho.co/service

https://www.maff.go.jp/j/wpaper/w_maff/h23_h/trend/part1/chap3/c3_3_02.html

https://nissenad-digitalhub.com/articles/ai-efficiency/

https://www.ibm.com/think/jp-ja/business/autobacs-tire-check-with-watson/

https://gazoo.com/column/daily/18/04/09/

https://www.sbcloud.co.jp/entry/2018/07/12/0712press/

https://www.jtp.co.jp/techport/2019-12-06-001/

https://ai-products.net/4086/ai-image-recognition-case-study/

画像認識技術の将来性

現在、注目されている技術として「高速大容量」「高信頼・低遅延通信」「多数同時接続」を実現させる5Gがあります。この5GとAIの画像認識技術を掛け合わせたシステムとして、自動運転が期待されています。

技術がさらに発展し、高精度の画像認識が実現されることで、活用の幅が広がり、多様な分野への応用が実現されるのではないかと期待が高まっています。

AI画像認識技術の得意とすることは何かを学び、理解をすることで、より効果的な技術の導入を行うこととなり、結果としてコストダウンと利益の向上、新しい付加価値の提供が実現できるのではないかと思います。本記事を参考にしていただければと思います。

(参考)

https://ainow.ai/2019/07/11/173264/

https://aizine.ai/recognition-0804/#toc3

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